2.アンゾフのマトリクス(アンゾフの成長ベクトル)

 アンゾフのマトリクス(アンゾフの成長ベクトル)は一般に自社の今後の成長方向性を考慮・分析するに際して参考となる講学上の有名な経営戦略フレームワークです。先述SWOT分析や後述するPPMも併用する事により今後の自社についていかなる方向性への動き・資源配分が適切であるかを考慮する論理的羅針盤に利用する事ができます。

 以下の図がアンゾフのマトリクスです。 

 ①の市場浸透戦略は今まで販売していた市場へ今まで販売していた商品やサービスを販売し続ける事で市場浸透を進める事により、シェアの拡大を図る戦略です。

 ②の新市場開拓戦略は今まで販売していた市場以外の市場(新しい顧客層や未開拓の地域など)に今まで販売していた商品やサービスを投入する事により、成長を図る戦略です。
 ③の新製品開発戦略は、今まで販売していた市場に従来販売していた商品やサービスとは全く異なる新しい商品やサービスを投入する事により、成長を図る戦略です。

 ④の多角化戦略は今まで販売していた市場以外の市場に従来の商品やサービスとは全く異なる新しい商品やサービスを投入する事により、成長を図る戦略です。多角化戦略にはさらに色々分類される講学上概念もありますが、当サイト・当サイト運営者は取扱致しません。
 ①の方向性へ注力する事により今後の将来性やビジョンが有望に見込めるものであるなら今までのやり方をより磨けばよいだけである点、ノウハウや販路がある強みをさらに磨いて武器としていく事で現実問題としては一番手堅く無難な方策という事ができますが、先述SWOT分析PEST分析3C分析等の結果からあまり有望なビジョンが見込めない場合にはいかに早期の時点から他の有望な方向性への研究・準備を上手く行う事ができるか否かが「備えあれば憂いなし」との諺にも適います通り、経営戦略的な視点からの重要なポイントという事ができます。その場合には採り得る方向性について進む場合のSWOT分析・マーケティング環境分析を行ってみながら方向性を模索するとよいでしょう(基本的には②・③よりも勝手のわからない領域の増える④の方が成功難易度が高いものという事ができるため、④を検討するならば②・③を採らずに④を採ろうとする合理的な根拠があるべきといえます)。

 またPESTや3C等は絶えず変動するため(ex.事業環境が一変するような立法施行その他判例・通達等出現、大手企業が強力なライバルとして突然進出してくる・・etc)、いつ事業の先行きに陰りが生じるかは誰にもわかりません。このためたとえ①を有望な方向として進める中にありましても常に新しく有望な②・③・④方向への価値の提供の取扱について研究・模索しておくことは事業の先行きにとって非常に重要な認識であるという事ができます。

 経営戦略策定当初の事業環境分析の中におきましてはマトリクスをみながらまず最初に行ったSWOT分析のとりあえずの結果としての参考情報をあてはめ、採るべきと考えられる方向性とその理論的根拠をメモしておく程度でよいでしょう。SWOT分析のところで記載致しました通り、後述マーケティング環境分析(「PEST分析」→「5F分析」→「3C分析」)にて事業環境分析をよく行った上で改めて分析・考慮した方が的確な答えを出すことができます。

 

 経営戦略概論で挙げた養鶏業の株式会社Aを題材にした場合、「生まれたての新鮮な卵を使用」している事をウリとしたオムライスのレストランを開業しようとしている事は養鶏業とシナジーのある形でアンゾフのマトリクスでいう④の多角化を行なおうとしている状況であるという事ができます。当初のSWOT分析後のアンゾフのマトリクスの概観時点ではまずこの④がSWOTの分析から果たして妥当なのか、また妥当であるとするならばその理論的根拠は何か、他に卵の販路を拡大する②や既存の卵の売り先に他の何かを売る③という選択肢の方が妥当ではないのか、等といった点をとりあえずざっとチェックしてみる事がよいでしょう。

※その他アンゾフのマトリクスに関連して公式ブログにて「2011年にアクセス数の多かった記事について(3)~アンゾフの成長ベクトルと市場浸透戦略以外への着手の準備~」記事をUP致しておりますので宜しければご参考にご参照下さい。

 

※関連記事として運営者ブログ中小企業の新製品開発(新サービス開発)とマーケティング分析もご参照下さい。

※業況によりましては早めの多角化や事業転換が必要な場合があります。需要がみられない中で無理筋に市場浸透を進めようとした結果外部及び内部からの経営に関する評判を落としてしまいましては企業活動の展望はあまり明るいものとは言えないでしょう。公式ブログでは特に小さな会社様・事業様を対象として「小規模事業の強みは"戦略的軌道修正を図り易い事"」「多角化とBtoB・BtoC」記事等にてこのような点に関する参考記事を挙げています。大手企業(上場企業)の下請企業様はこちらの記事等もご参考にして頂く事ができます。

※従来に見られないビジネスモデルを市場へ投入する事は特に「ブルーオーシャン戦略」と呼ばれます。血の海に例えられるような競争戦略・競争社会とは無縁の青い海という意でそのように呼ばれます。同戦略は競争による盛り上がりのない形でビジネスモデルを市場へ投入する形となるため市場がもつ未知なるものへの抵抗感を払拭できるかがキーになります。

 

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