6.5F分析

 PEST分析後、次に少々環境レベルを狭める形で自社が属している「業界」で自社を囲んでいる様々な力が自社へどのような影響を及ぼしているか又は及ぼし得るかという状況を分析します。講学上の概念では業界における5つの力(=5forth)がどのように自社に働いているかが分析に利用され、5F分析又はファイブフォース等と呼ばれています。

 5つの力(5forth)とは、競争企業間の敵対関係(競合企業との競争がどの程度激しいか)、新規参入業者の脅威(現在の競合企業以外が参入してくる脅威はどの程度あるのか)、代替品の脅威(代替品が登場してくる脅威はどの程度あるのか)、売り手の交渉力(供給者の交渉力はどの程度強いのか)、買い手の交渉力(買い手の交渉力はどの程度強いのか)という自社を中心に働いている5つの力を指しており、この5F分析を行う中で、業界の状況や業界内での自社の状況・及んでくる影響・立ち位置等を分析及び確認していきます。


以下のように5Fの自社への影響を分析・確認していきます。

 各「F」(力)について考えられる事情とその自社への影響を挙げていきます。「~」は「F」(力)を指しており、「・・・」が論理的に導かれる自社への影響内容を指しています。これらの「F」(力)が自社へ及ぼす脅威が低ければ低い程「F」への配慮・対策等が不要となるため基本的には環境が良いという事ができます。例えば、従事する事業の参入障壁が高ければ高い程、新規参入の脅威は低くなります。仕入先について他に代替の利くような仕入先候補の数が多ければ多い程、売り手の力は弱くなります。買い手から見て他に代替の利くような購入先候補の数が少なければ少ない程、買い手の力は弱くなります。取扱サービスや商品の代替品となるようなサービスや商品が少なければ少ない程、代替品の脅威が低くなります。

 このように、5つの力が自社へ及ぼす脅威が低ければ低い程事業は成長しやすく収益も高まり易い他方、5つの力が自社へ及ぼす脅威が高ければ高い程事業は成長しずらく収益も低くなりやすいものという事ができます。5F分析は戦略策定への簡潔な取り込み方が少々わかりづらいですが、これらの点を踏まえながら的確に情報収集・分析を行い戦略策定の妥当性の検証へ反映させて検討する事により、現在の業界での立ち位置や今後進出を検討している業界において予測される自社の立ち位置を把握してより適切な全社戦略・マーケティング戦略策定の構築に向けた参考情報とする事ができると共に、力関係の計算を度外視した事による戦略策定の失敗を予防する事ができます。(新規参入の脅威に関する分析は、ミクロ環境分析である「3C分析」の視点においての潜在競合分析としての役割も果たす形となります。)

 

 経営戦略概論で挙げた養鶏業の株式会社Aを題材にした場合、付近ではそれほどライバルが多いわけではなく、また長年のつきあいによるなじみの業者や宅配販路の保有と我が国での安定した卵の消費環境により収益は堅調な推移を保っており、その他大企業の農業参入はなかなか成功しずらいため参入気配が特段見られない事や新たに従事する手間に比しての点で特段には収益性に魅力があるとも言い難い事から中小企業の新規参入機運も高くはない事・若者の農業離れ傾向により業者の数は減少こそすれ増加する様子が見られない事等の農業一般に関する傾向は養鶏業及び目前にみられる状況という点でも例外ではなく、しかしながらそのような背景を要因に現状では5Fの点でとりたてて気にすべき点もみられないという環境です。もっとも卵は差別化が難しいため価格交渉力は強いとはいえない点から、収益力と事業の発展可能性を向上させるためブランド力の高いオムライスレストランを作りたいと考えています。付近ではレストランは多いものの、新鮮な卵を使ってオムライスレストランをはじめようとしている業者やはじめそうな業者はおらず、また付近は近年観光地としての人気を向上させてきたため人通りやレストランに対する需要は多く、上手に運営すればそれなりの価格を設定しても他のレストランとの相乗効果もあって繁盛するのではないかとの予測の下にあります。もっとも、レストラン経営に関する経験がないため、上手にブランド力の高いオムライスレストランを始めたいとすればそのようなノウハウについて、自社にとって交渉や相談をしやすい仕入先やアドバイザーを見つける事ができるかどうか等の点がポイントであるものという事ができます。

 

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